2009年2月23日月曜日

この道わが旅29 光差す


●徒歩!琵琶湖一周の旅 8日目(8/20)

夕立があがった、濡れたアスファルトを歩いていく。
ゴールの瀬田の唐橋東詰めに向かって、痛む足を引っ張りながら草津の湖岸を。

そのうち、雲の切れ目から光が差し込んできた。
輝く対岸の湖西の街並み。
ああ、あのあたり、全部歩いてきたんだなあ、と感慨深い思い。

この徒歩!琵琶湖一周の旅で、色んな景色を見てきたが、このときは格別だった。
激しい夕立のあと、厚い雲の切れ目から、徐々に光が広がって。
湖面がキラキラと輝いている。
「これで虹でも出れば、ドラマチックなんだがなあ」
などと、ちょっと欲張ってもみたが、それは過ぎた望みだった。


止まない雨はない。明けない夜はない。

と、よく人を励ますときに言われるが、自分はあまり好きな言葉ではない。
どうにもならない。時間がどうにかしてくれる。
みたいな、生半可で表面的なポジティブさの裏に、軽薄な無責任さが透けて感じられるからかもしれない。

それよりか、一緒にそんな風景を見に連れて行ってあげる方が、よっぽど元気になる。
と思う。
どこかで聞いたような言葉より、自然の広大さや、におい、感触の方が、はるかに信じられる。

滋賀県は、こういうとき、うってつけの景色が、身近にいっぱいある。


この旅が終わった後、急転直下で世界に暗雲が垂れ込めはじめた。
半年経つ今でも、テレビや新聞をにぎわしている、暗いニュースの数々。
それはもう、世界の終わりではないか、といった様相だが…。

この後、どうなるのか。
卒業を前にして、周囲からも不安の声が聞こえてくる。
かく言う自分も、この先どうなるかわからない身だ。

夕立の上がった空は、確かにキレイだった。
光差すところまで、さて、自分たちは歩いて行けるだろうか。


カメラ:NIKON D40
使用レンズ:18.0mm - 55.0mm (F3.5 - 5.6)
焦点距離:28.0 mm
絞り:F8.0
シャッタースピード:1/500 秒
ISO感度:200

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