美大とクローバー。
成安造形大学で行われていた展示会「文字・摸似・言の葉」に行ってみた。
撮影は許可されたものの「使わないでね」と言われた。
文章で印象に残った作品を紹介しよう。
文承根 『活字球』 1973年頃
鉛の活字(文字のハンコ)を、文字の面を外側に向けて球状に固めてある。
転がすと文字が表れるようになっているようだ。
毎日.jpの記事にも載っていて、今回はこれにひかれて行った。
触れることはできなかったが、文字の質量が伝わってきた。
遠藤さくら 『だから彼女は騙された』 2008年
いわゆる、書。毛筆の。
だが、ただのそれではない。
半紙の下にある下敷きの布には、ハイビスカス、星、ハート、リボンなどのド派手な柄。
スズリと筆には、携帯などに女の子がよくやっているキラキラのデコレーションが。
ファー付きでセレブなものから、フリルのついたゴスロリ系まで…。
そして、極めつけは書かれた文字。
「スイーツ」
「ケータイ小説」
「デコりまくって モテ子になる」
「マジヤバい~」
「超☆個性的」
「ハケンでいい男GET」
以上の文字に、さらにラメが入っている。
これは、写真でお見せしたかった。
池上奈美 『ばしょう X ギャル』 2007年
室内の蛍光灯に、もれなく芭蕉の句がある。
普通のものと、ギャル文字での表記が並んでいる。
「行く春を 近江の人と 惜しみける」
「ゅ < レよ ゑ を ぉ ぅ ゐ @ ひ ー⊂ ー⊂ ぉ ι ゐ レナ ゑ 」
こんな具合である。
よ、読めない…。
なかなか愉快な展示だった。
普段、美大との関わりもあまりないので、新鮮味もある。
欲を言えば、教授や学生からの解説も欲しかった。
どこの大学も基本的に開かれている。
面白そうな催しものがあれば、遊びに行ってみるのも面白いかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿