2008年8月8日金曜日

「和」 北京五輪開幕


今日8/8、北京オリンピック開幕。
開会式はまさに大陸といった壮大さ。
チャン・イーモウ監督が指揮をとったということだ。
祝砲がわりに、滋賀から花火をアップしておく。

「和」をもって
ショーの中で、中国の情報伝達を題材にしたものがあった。
紙、竹簡、筆、活版印刷…。
このあたり、自分は興味がある領域なので、少し嬉しい。

活版印刷のとき、ひとつの漢字がクローズアップされた。

「和」

甲骨文字?からの「和」の形が、現代に向かって順に浮かび上がる。
昔からほぼ変わらぬ形「和」。
原型は、戦争中でも中断してまで開催されていたため、オリンピックの平和の祭典とも言われている。
そこでこの漢字、ということか。

わ【和】
(1)対立や疎外がなく、集団がまとまっている状態。仲よく、協力しあう気持ち。
「―を保つ」
(2)争いをやめること。仲直り。
「―を結ぶ」
(3)うまく調和のとれていること。つり合いのとれていること。
(4)〔数〕 二つ以上の数を加えた結果の数。
⇔差
――を講・じる
戦争を終結して、平和を回復することに合意する。講和する。
三省堂提供「大辞林 第二版」より



言異なるものなれど…
「唐(もろこし)とこの国とは、言異(ことこと)なるものなれど、月の影は同じことなるべければ、人の心も同じことにやあらむ。」

これは先日、岩波書店発行の『世界名言集』で見つけたことばである。
紀貫之の『土左日記』が出典。
検索をかけて調べてみると、これは8世紀の遣唐使 阿倍仲麻呂の体験談で、この『土佐日記』で出ているようだ。

阿倍仲麻呂は遣唐使として当時の中国、唐にわたる。
日本に帰国するときに、別れを惜しんで歌を詠んだ。
阿倍仲麻呂「私の故郷では、こんな風に心が動くときに歌を詠むのだよ」
そう言って、文字に書いてみたところ、唐の人がたいそう感心したという。

中国と日本とは、言葉は違うけれど、月が同じに見えるように、人の心も同じなのだなあ。

こういった個人の付き合いレベルでは、自分も中国の人は大好きだ。
実は明日、自分は、瀬田で知り合ったある中国人留学生とお別れをしなければならない。
自分の撮った写真を喜んでくれ、「綺麗な写真を撮りたい!」と自身もデジタル一眼レフカメラを買ってしまったその人。
実はこのブログでも何回か登場している。
言葉は違うけれど…。
写真を撮ったり、撮られたり。
これらイメージが作る世界は共通で、言語の壁をも飛び越えてしまう。


205の国・地域がが集まって行われる、北京オリンピック。
言語は違えども、選手、観客と、さまざまな交流が生まれるに違いない。

さまざまな、あまり良くないニュースも飛び交う昨今。
若い世代の個々の良い関係が積み重なっていけば、あるいは…。
と考えるのは「甘い」と言われるかもしれないが、ここは古くから変わらぬ「和」という漢字を信じてみたい。


カメラ:NIKON D40
使用レンズ:70.0mm - 300.0mm (F4.5 - 5.6)
焦点距離:70.0 mm
絞り:F11.0
シャッタースピード: 3.0 秒
ISO感度:200

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